脆弱性及び適応効果指標に関する研究(S-8-3)


アジア太平洋地域における脆弱性及び適応効果指標に関する研究(S-8-3)

 

環境省環境研究総合推進費 戦略研究開発領域S-8「温暖化影響評価・適応政策に関する総合的研究」の研究成果が発表されました(2014/3/17)。

 

研究の流れ

研究の流れ

a) 国際的な適応政策の現状の把握、b) 気候変動に対する脆弱性・影響・適応効果評価指標の開発、c) その検証のために必要なアジアの2つのデルタ(メコン、ガンジス)におけるケーススタディの実施、d) 研究・教育・政策検討のために必要なアジア太平洋地域における国際的ネットワーク形成による情報の集積と研究成果の発信を目指す。

(1) 脆弱性・影響・適応策評価の開発・実施のための国際ネットワーク形成に関する研究
(茨城大学)
a) S-8-3班の研究推進体制を構築し、既存国際ネットワークとの連携を行う。そのため、適応策に関する国際シンポジウム・国際会議に参加すると共に、独自のネットワーク形成のための第1回国際ワークショップを開催する。それらを通じて、アジア太平洋地域の適応ネットワーク対象国及びキーパーソンをリストアップし、それらを通じて国際ネットワークの強化を図る。

b) 各国の脆弱性・影響評価、緩和・適応策に関する研究、ケーススタディおよび適応策マニュアルを集約し、研究俯瞰図の構築を進める。また、国際ネットワークを活用し、キーパーソンを中心にして、アンケートを通じて温暖化影響や適応策に関する関心度を把握する。合わせて困難の所在と埋めるべきギャップを明らかにする。

c) SS③で開発した脆弱性・影響・適応効果評価指標を広め、国際的標準化をめざす。適応策実施の隘路の克服の一環として、南―南協力の有効性について提言を行う。国際適応ネットワークを確立し、研究俯瞰図、脆弱性マップ及び適応効果マップを構築しIPCC等へ発信する。

各サブテーマの相互関係

各サブテーマの相互関係

 

 

 

 

 

 

 

 

 


(2) 影響予測・適応政策の国際比較(国立環境研究所)
a) 適応計画の策定・実施プロセスにおける課題を抽出し、国際レベルでの支援オプションを明らかにすること、気候変動枠組条約フォーラム下で行うべき適応支援策を検討し、適応関連資金配分の効率化に関するオプションを明らかにすることを目的とする。

b) 適応計画策定の前段としての影響予測の現状について整理したうえで、適応関連資金メカニズムの動向を踏まえ、適応支援のための国際制度に必要な要素を抽出する。各国の適応計画の内容並びに主要途上国の開発計画に主流化された適応策の内容及び策定過程を精査し、国際レベルの支援の拡充に向けて、課題を抽出する。適応関連資金配分の効率化オプションのレビューを実施し、ならびに、途上国の開発計画への適応の主流化の促進に向けた、国際制度による支援オプションを提示する。

(3) 脆弱性・影響・適応効果指標の開発とメコンデルタでのケーススタディ(茨城大学)
既往研究から、脆弱性・影響・適応策の有効性に関する指標の概観構築に着手する。また、メコンデルタ地域を対象に、海面水位変動等のデータ収集を開始し、各現象のデータベースのプロトタイプの構築を行う。併せて、メコンデルタ地域侵食脆弱性の簡易評価を試みる。 これらの成果を踏まえ、脆弱性・影響・適応策の有効性に関する指標のプロトタイプの構築および一次提案を行う。また、メコンデルタ地域の地盤沈下及び海面水位変動の将来予測手法の開発を行い、予測結果を提示する。さらに、メコンデルタ地域の水害や侵食に関する脆弱性の評価を行い、脆弱性マップの提示と総合評価を行う。

(4) 適応効果指標及びウインウイン適応オプションの同定のための政策決定枠組みの構築(地球環境戦略研究機関)
ガンジス川流域でのケーススタディを通して、農業分野(農業水利を含む)において最適な適応策を実施するための適応効果評価指標の同定を行う。また、これらの指標を活用して政策決定者がウインウインとなる適応策を選択できるような、より包括的な政策決定枠組みの構築について検討する。さらに、本研究によって得られた知見をUNEPアジア太平洋適応ネットワークなどを通して共有・発信する。

(5) 気候・生態系変動適応研究大学ネットワーク(国際連合大学)
気候・生態系変動適応研究大学ネットワーク(以下UN-CECAR)は、東京大学サステイナビリティ連携研究機構(IR3S)と国際連合大学の主導ではじまった、気候変動分野における国際的学術連携の一環である。 本研究では、UN-CECARを活用して以下のような活動を実施する。

a) ウェブポータル<http://cecar.unu.edu/>を開設し、諸大学の研究プログラムやカリキュラムなどの情報プラットフォームを構築する。

b) ワークショップを開催し、適応策研究・プログラムなどの現状を把握し、共通項をまとめる。

c) 各大学・研究機関と連携し、現存する資源や研究などをフィードバックする。

d) 適応策に関する研究、プロジェクト、またデータや情報を集積し、カリキュラム/モジュール開発を行う。

e) これまでに集積した適応策研究やプロジェクトなどの局地化適用を推進する。またそれらの情報をもとに、地域・生態系変動への適応策カリキュラムを作成、活用を推進する。

以上に基づくS-8-3の概要は以下の通りである。

S-8-3の概要

 

S-8-3の概要   グループメンバー(*:課題リーダー)

脆弱性・影響・適応策評価の開発・実施のための国際ネットワーク形成に関する研究
(1)
氏名
所属機関・部署
*安原 一哉 茨城大学 地球変動適応科学研究機関
横木 裕宗 茨城大学 工学部 都市システム工学科
三輪 徳子 茨城大学 人文学部
三村 信男 茨城大学 地球変動適応科学研究機関
影響予測・適応政策の国際比較
(2)
氏名
所属機関・部署
久保田 泉 国立環境研究所 社会環境システム研究センター
亀山 康子 国立環境研究所 社会環境システム研究センター
森田 香菜子 国立環境研究所 社会環境システム研究センター
脆弱性・影響・適応効果指標の開発とメコンデルタでのケーススタディ
(3)
氏名
所属機関・部署
村上 哲 茨城大学 工学部 都市システム工学科
信岡 尚道 茨城大学 工学部 都市システム工学科
木下 嗣基 茨城大学 農学部 地域環境科学科
田村 誠 茨城大学 地球変動適応科学研究機関
桑原 祐史 茨城大学 広域水圏環境科学教育研究センター
適応効果指標及びウインウイン適応オプションの 同定のための政策決定枠組みの構築
(4)
氏名
所属機関・部署
プラバカール・シヴァプラム 地球環境戦略研究機関(IGES)自然資源管理グループ
佐野 大輔 地球環境戦略研究機関(IGES)自然資源管理グループ
気候・生態系変動適応研究大学ネットワーク
(5)
氏名
所属機関・部署
スリカーンタ・ヘーラト 国際連合大学サステイナビリティと平和研究所
齊藤 修 国際連合大学サステイナビリティと平和研究所
毛利(小西) 英之 国際連合大学サステイナビリティと平和研究所
 
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